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「ステンレス製の飾り皿」精微な加工・仕上げでステンレスの持ち味を表現


ステンレス製の飾り皿
ステンレス加工に詳しいお客様が、商談コーナーに飾ってあるこの飾り皿を見ると、「えっ!ウソでしょう?」と手にとってまじまじとご覧になられます。
きっと、制作過程を想像しているからでしょう。
この作品にはかなりの時間を要しただけでなく、とても神経をすり減らす加工と技術を駆使しました。わたしにとっては、とても記憶に残る作品のひとつです。
この飾り皿は、
サインの部分(A)、サインを埋め込んでいる中央土台部分(B)、そしてドーナッツ状の外側部分(C)、これら3つのパーツにわかれています。
詳しくは、一番下の図解(図1)をご覧ください。
(スタンドも長辺部分はバイブレーション、先端は鏡面仕上げで制作)
サインの象嵌加工
サインの部分は「象嵌加工」といって、地の素材を彫り、その部分に他の材料をはめこんで模様を表す技法をいいます。今回は双方とも素材はステンレスです。

象嵌加工は手間・時間がかかるため、よくみられるのはアルミ複合板やステンレス板の表面を抜き、それに合った文字を裏側から飛び出すように接着させ、光を入れることで文字の側面が光るようにさせているものです。

もちろんこのサインは接着したものではなく、ステンレスをレーザーカットし、サイン(A)と同じ形をくり抜いた土台(B)にステンレスに埋め込んでいます。

Vol.1で紹介した表札もその技法を使いサインが埋め込まれ、裏側を見ると溶接の後がよくわかります。
ステンレスですから全体的に無機質なイメージになりがちですので、サインは優しい細め・流線形のデザインで雰囲気を演出する為に、はねの部分は幅1mm弱の厚みしかありません。従ってサインを埋め込む土台の溝は、微小サイズのやすりで丁寧に丁寧に削り、なんとかサインを埋め込んでいます。
また、それぞれのパーツの厚みは違い(約1mm)による段差(つまり突起した部分)が鏡面仕上げできらっとほのかに輝いています。 (図2)
さまざまな表面仕上げでステンレスに趣を
サイン部分、中央土台の側面部分を鏡面仕上げにしキラッと感を。
土台表面はビーズ加工、外側の土台はバイブレーション加工することで、これら3つのパーツが一体となった時、角度や光の入り方で飾り皿がいろんな表情を見せてくれます。
飾り皿の裏側は、サイン、中央の土台と外側の土台すべて溶接や継ぎ目がわからないように仕上げてみました。一般の方がご覧になると、まさか3つのパーツが埋め込まれてあるとは想像もつかないでしょう。
まるでひとつのステンレスのように思っていただけるような自然な仕上げ、そのように感じていただけることが、わたしにとっては職人として最高の喜びです。
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