ハイブリッド、電気自動車、自動運転機能・・・最近の自動車は高性能で運転が楽ですね。
でも、わたしはクラッシックカーが大好きで、昭和39年式(1964)日産セドリックを愛用しています。
自動車博物館にも展示され、東京オリンピックにおいて聖火搬送車の大役を務めた車種。弊社への来客時には、車好きなお客様がよくご覧になっていかれます。
― <初回レストア>2019年頃のレストアした様子
― <現在>2024年9月頃のレストアの様子
このセドリックとの出会いは32年ほど前でしょうか。
1993年頃、ホイールはネットで購入、グリル、テールはワンオフで自作しました。部品を取り寄せカスタマイズし1995年から乗り始めました。
マニュアル車なので運転が楽しく、広い室内は長距離ドライブでも疲れにくい安定した乗り心地です。
しかし2018年夏頃から、ボディーの錆が気になりはじめ専門塗装業者に修理を依頼しました。
高額でしたがわたしも仕事が忙しくかまってられない為お任せし、約6か月後にやっと戻ってきました。
ピカピカになって戻ってきたセドリックに喜んでいたのも束の間。
3か月もするとまたボディーにぽつぽつと錆が発生し、その後あれよあれよという間に錆が広がってしまったのです。
お察しのいい方はすぐお分かりかと思いますが、錆は、徹底した錆の除去工程、下処理などがしっかり処置されていないと、また錆が発生してしまう厄介なのも。
高額料金だったこともあり納得できず、塗装業者に状況説明したところ「やり直します」とお返事されましたが、大切な愛車なので人任せにせず自分でやるか!と、決心しました。
日中は業者さんとの打合せ、段取り調整、製作の仕事で車をかまう時間はほとんどなく、平日のちょっとした隙間時間、休みの日などを費やし2019年~2024年までの約5年間はコツコツと愛車修理に没頭していました。
ひとつひとつパーツを解体すると、やはり驚くほど錆が広がっていてびっくり。
丁寧に錆を落とし、下処理を繰り返し繰り返し処置しました。
気に入ったボディーカラーなので、当時のオリジナルボディーカラーにより近づけるために、色は慎重に確認し塗装しました。
解体したついでに、内装のクロスもも傷んでいたので採寸して下地素材やクロスも取替えたり、シートやトランク部分も綺麗に直しました。
一番こだわったのは、スピーカーです。
Fostex 16cmフルレンジユニットをネットで探しては、取替え音を比べましたが、古くても厚みのあるスピーカーは何とも重厚感のあるよい音を奏でます。
外観はクラッシックですが、ETC、ナビ、Bluetoothなどを取付け社内は最新です。
約30年前に保管していた当時のホイール、オリジナルフェンダーミラー、テールランプも、このタイミングで取り付け、昭和39年式日産セドリックがリ・ボーンです。
愛車を甦らせるためのあっという間の5年間。
世の中はコロナ禍で閉塞感が漂っていましたが、わたしは愛車にまた命を吹き込んで、また共にドライブできることが嬉しくてたまりません。
最新技術の車にはない良さ、味わいがあります。
わたしも、この先も技術を磨いていい仕事をしていきたいと思います。
レストアの様子は「フォト蔵」に掲載中
― Part1:塗装前から解体までの様子
― Part2:解体・組み立て・完成の様子
注:車のレストアはあくまでも趣味の範疇です。業務依頼は一切お請けしません。